キッチンカーの出店タイプを知ろう
サラリーマン・OLの胃袋をつかんだもの勝ち!
「ランチ出店タイプ」

近年、東京のオフィス街で急速に増えてきたのが、ランチ出店のキッチンカーです。弊会の調査では、1日で200台近くのキッチンカーが東京都心部のオフィス街でランチ出店を行なっており、多くのキッチンカーが激戦を勝ち抜くため奮闘しています。ここでは、ランチ出店タイプのノウハウを公開します。

【売れ筋メニューの特徴】

このようなランチメニューを提供することが繁盛店への第一歩です。オフィス街のランチ出店では、コンビニ弁当に飽きたり、レストラン(定食屋)が混雑して入れなかったサラリーマンやOLがターゲットになります(ランチ難民と呼ばれています)。そのため、「コンビニ弁当よりおいしく、ボリュームがありレストランより安い」メニューが求められるのです。ランチメニューの価格帯が600〜800円に集中しているのも、このような理由があるからです。とはいえ、コンビニ弁当はバリエーションが豊富でおいしいものも多いので、利益率重視では対抗するメニューを開発するのは至難の技です。原価率を上げてでも、おいしさとボリューム感のあるメニューを開発し、あなたのお店のファンを作っていくことが一番の近道なのかもしれません。

【仕込み場所をいかに準備するか】

法令では、キッチンカーの車内で食材の下処理やカット等の仕込みに相当する作業は認められていません。また、自宅を仕込み場所とすることはNGとされており、別途飲食店営業許可を取得した場所(厨房)がなければ、キッチンカーの営業許可も取得できません。 キッチンカーの魅力は、固定店舗と比べて家賃等の固定費の支出が少ないことですが、仕込み場所にはどうしても家賃や水道光熱費が掛かってしまうので、仕込み場所を維持する経費が悩みのタネになりがちです。 仕込み不要の業務用加工食品(冷凍食品等)のみでは、ランチ出店での売れるメニュー作りは難しいため、キッチンカーを準備する前に、仕込み場所の確保を優先することが重要です。 飲食店の居抜き物件を借りるのが最も手っ取り早く、立地が良ければ飲食店として営業を行うこともできます。 飲食店を経営している知り合いがいれば、そこを仕込み場所として間借りすることもひとつの方法です。

仕込み場所の家賃を15万円に設定した月間収益シミュレーションです。

販売価格600円/原価240円(40%)/営業日数20日/出店料15%
月間売上 1,200,000円 600,000円
販売食数/日 100食 50食
仕入原価 480,000円 240,000円
粗利益 720,000円 360,000円
出店料(15%) 180,000円 90,000円
仕込み場所の家賃等 150,000円 150,000円
ガス代 40,000円 20,000円
ガソリン代 20,000円 20,000円
駐車場代 10,000円 10,000円
営業利益 320,000円 70,000円

こうしてみると仕込み場所となる家賃の割合が大きいことがよく分かります。 利益を上げていくため、良い条件の仕込み場所を確保し、その仕込み場所で魅力的なメニューを開発し、ファンを作って売上を伸ばしていきましょう。

【出店料の相場】

東京のオフィス街での出店料の相場は売上の15%程度。 イベント出店と比べると10%程度低いため、その分を材料費に回すことができます。

【キッチンカー製作のポイント】

1キッチンカーのサイズ
ランチ出店の主な出店先となるオフィス街のスペースは広くはなく、荷重制限があったりするので、ベース車両は軽ワゴン車や軽トラックがオススメです。 軽ワゴン車の厨房スペースは非常に狭く、長さ180cm・幅140cm程度です。 軽トラックに厨房スペースを積み込むタイプであれば、立って作業できる高さは確保できますが、長さと幅は同じ程度のため、2人で作業するとかなり手狭になります。 週末のイベント出店も視野に入れているならハイエースなどの普通車ワゴンも選択肢のひとつになるでしょう。
2内装のポイント
軽自動車の場合、座って作業することが前提なので、店頭に立たれたお客様の目線と座っている自分の目線が同じ高さになるように設けましょう。 また、販売口側に調理機器を配置することで「注文→調理→盛り付け→提供」をスムーズに行うことができ、ライブ感を演出することができます。
3外装のポイント
キッチンカーのボディにのぼりやA1サイズの看板を設置できれば狭いスペースでもアピールすることができます。 また、販売口の脇に小さめのテーブルを置いて、おはしやスプーン、手提げ袋をセルフで取ってもらえるようにすれば、お客様の回転を早め、売上アップにも繋がります。