キッチンカーの出店タイプを知ろう
がっつり稼ぐ!「イベント出店タイプ」

イベント出店タイプは、文字通りイベントに出店し大勢のお客様に向けて販売を行うことです。その魅力は何と言っても、大きな売上をあげること。数万人が来場する大型イベントでは1日で100万円を超える売上を叩き出すキッチンカーが何台もいます。ここでは、イベント出店タイプのノウハウを公開します。

【売れ筋メニューの特徴】

「うまさ」「はやさ」「わかりやすさ」この3つを高いレベルで揃えるメニューがイベントで売れるメニューとなります。最も重要な要素は「はやさ」です。例えば、10時から16時までのイベントに出店したとしましょう。目標は1,000食。ピーク時間帯を12時から14時までの2時間とした場合の提供食数のイメージを下記の通りです。

10:00〜11:0050食
11:00〜12:00100食
12:00〜13:00350食
13:00〜14:00350食
14:00〜15:00100食
15:00〜16:0050食

ご覧の通り、ピークタイムの2時間で700食が提供可能なメニューでなければなりません。調理工程が多く、提供スピードが遅いと行列をさばくことができず、売上はあがらないどころか、お客様に不満を与えることになります。イベントで大行列のお店を見かけると「繁盛しているな!」と思われる方も多いと思いますが、大行列のお店が必ずしも一番売れているとは限らないのです。

提供スピードをあげる一番の方法は、調理工程を極限まで少なくすること。そのために手っ取り早いのが「業務用食材」を最大限に活用することです。もちろん、すべての食材を業務用にするとお店のオリジナリティがなくなり、お客様を感動させるような「うまさ」を実現するのはなかなか難しいでしょう。ただ、食材の一部を業務用食材に置き換え「うまさ」をある程度キープしつつ、作業工程を半分にし、提供食数を2倍に増やすことができれば検討の余地はあるはずです。一方、「業務用食材は原価が高く利益が減るから使いたくない」という方も多いでしょう。そこで、販売価格1,000円のカツカレーを元に、業務用食材を使用しない場合と使用した場合のシミュレーションが次の表です。

業務用食材使用の有無
不使用 一部使用
販売価格1,000円1,000円
原価300円400円
販売食数500食1,000食
売上合計500,000円1,000,000円
原価合計150,000円400,000円
粗利益350,000円600,000円
アルバイト代(10,000円/人)50,000円30,000円
ガス代10,000円20,000円
出店料(売上25%)125,000円250,000円
営業利益165,000円300,000円

「はやさ」こそ、最も重要だということがお分かりいただけたかと思います。さらに、固定の飲食店と同様、調理工程が簡素化されていれば、スタッフの育成スピードが上がるので、キッチンカーを複数台所有しビジネスを拡大させることにも繋がるのです。

最後に「わかりやすさ」は誰もがパッと見て分かるメニューのことです。馴染みのないものだと味のイメージがつきにくく、客数を伸ばすことが難しくなります。一方、定番メニューはライバルも多いという問題があります。大事なことはネーミングと横断幕を含む店舗装飾です。大型イベントで成功するためにはネーミングと装飾に投資を怠らないことです。

【出店料の相場】

出店料はイベントの内容や規模によって大きく異なりますが、売上に対する歩率は概ね25%程度です。固定の出店料が発生するイベントもあり、数万円から数十万円と非常に幅が広いです。また、固定の出店料は前払いが多いのであらかじめ資金を準備しておく必要があります。

【キッチンカー製作のポイント】

1キッチンカーのサイズ
1,000食以上の販売を達成するためには、大容量の冷凍庫や冷蔵庫、複数台の調理機器を搭載する必要があります。 クイックデリバリーはキッチンカーのベース車両として非常に人気が高く、状態の良い中古車では200万円を軽く超えることがありますので、2tトラックをベース車両にした方がコストを抑えられる場合があります。
2内装のポイント
「調理」→「盛り付け」→「提供」の流れをいかに無駄なくスピーディに行えるかどうかがイベント出店の勝負です。下のレイアウトを参考にしてください。
3外装のポイント
屋根上に取り付ける大型の横断幕はイベント出店時の最重要アイテムのひとつです。最も手軽な設置方法は物干し竿を使うこと。キッチンカーの販売面に物干し竿を固定する器具(ゲンコ等)を取り付けましょう。 資金に余裕があれば屋根上に横断幕設置用のステンレス製のフレームを設置する方法もあります。